アスベストの規制はいつから?人体や環境に与える影響とは?
アスベストは、1960年代頃に良く使われていた建設材料や工業製品に含まれていたものです。
断熱性や耐火性、防水性、防音性に優れたアスベストは、その性質から『奇跡の鉱物』と呼ばれ建築物に広く利用されていました。
しかし、1975年からアスベスト規制が一部始まり、今では製造・使用共に禁止されている状態です。
今回は、アスベストに規制が入った経緯や、人体や環境に与える影響についてご紹介します。
アスベストが規制された経緯と動き
アスベストは1975年から規制が始まり、4つの段階で規制が厳しくなりました。
アスベストの健康被害による影響によって、「特定化学物質等障害予防規制」と「労働安全衛生法施行令」の改正がされています。
- 1975年・・・アスベスト含有率が5%を超えて吹き付けすることを禁止
- 1995年・・・アスベスト含有率が1%を超えて吹き付けすることを禁止
- 2004年・・・アスベスト含有率が1%を超える、10品目の建材や接着剤などの使用、製造が禁止
- 2006年・・・アスベスト含有率が0.1%を超える製品の使用、製造が禁止
2004年からの規制は急加速しており、現在でも使用、製造が禁止されている状態となっています。
アスベストがよく使われていた場所と施工時期
アスベストは建材や工業製品に使用された実績が多く、その種類は3,000種にも上ります。
よく使われていた場所と施工時期を解説します。
アスベストがよく使われていた場所
アスベストは、断熱性・耐火性・防音性に優れているとされ、住宅や商業施設、オフィスビルなどで使用されていました。
鉄骨の柱や梁といった中の構造部分を始め、天井、床、外壁、屋根など、あらゆる場所で使用されていたことがわかっています。
アスベストが使用されていた施工時期
2006年に全面的に使用や製造が禁止されましたが、それまではアスベストの含有率が低くなってきたとは言え、使用されていた実績があります。
2004年から厳しくなってきた以降も、タイルやシート、ボード類、仕上げ塗装などは生産されていました。
規制が厳しくなってきた1995年以前となると、吹き付け材、断熱材、保温材、耐火被履板が製造されていたため、使われていたケースも多いです。
また、アスベストの飛散性が高い素材なので、特に2004年以前の建物については注意しなくてはいけません。
アスベストが人体に与えた健康被害
アスベストによる人体への影響は、ここまで規制が入っただけあって、深刻な影響を及ぼしています。
リスクの高い症状は以下の5つが代表的です。
- 肺がん
- 中皮腫
- 肺線維症
- その他の癌疾患
- 呼吸器症状
アスベストによる被害は日本だけではなく、世界で深刻な健康問題が出ています。
建設業や船舶業に従事していた人が、多くの影響が出たという報告があります。
まとめ
アスベストの規制や危険性は、なんとなく聞いたことがあるものの、一般的に浸透している問題ではありません。
特に築年数が古い建物については、使用されているリスクも大いにあるでしょう。
ただし、築年数だけでは判断がしにくいため、アスベストのレベルを知るためにも、専門業者で調査をすることをおすすめします。
- この記事が書かれた日:2024年09月30日
- カテゴリー:info