アスベストパトロールはどんなチェックがされている?実施される理由や結果をご紹介!

厚生労働省の発表にもある通り、アスベスト対策の全国一斉パトロールが実施されています。
アスベストによる健康被害は重大な問題であり、今後アスベストを含んだ建物の解体工事が増えていくことを想定し、現場での法令遵守が必要不可欠です。
より厳しい管理の元、労働者のアスベスト対策や、廃棄物への混入防止のため実施されます。
今回は、アスベストパトロールのチェックポイントや調査結果などについてご紹介します。
アスベストパトロールが実施される理由
アスベストパトロールが全国的に実施される大きな理由は、建物解体による再生砕石の中にアスベストを含んだ廃棄物の混入が発覚し、解体現場でのアスベスト対策が不十分という懸念があったことです。
今回のアスベストパトロールは、厚生労働省だけでなく、国土交通省と環境省と合同で行う対策であり、毎年6月から7月、10月から11月に実施される予定となっています。
調査の日程が公表されているケースもあれば、抜き打ちで非公表による調査の場合もあります。
アスベストパトロールのチェックポイント
アスベストパトロールがされる中で、どのようなチェックをされているのかポイントを解説します。
主なチェックポイントは以下となります。
- 収集運搬業者と最終処分業者共に契約書を用いて直接契約をしているか
- マニフェストに沿って工程を管理しているか
- 石綿含有産業廃棄物の認可を得ている処分業者であるか
- 飛散防止措置がしっかりとされているか
- 他の産業廃棄物との区分がわかりやすくできているか
アスベストの取り扱いは、産廃時廃棄物の排出事業者が処分まで行うという法律があります。
産業廃棄物の運搬や処分は業者に委託することが多いです。
しかし、処理までの責任は元請事業者になるため、ルールを理解して取扱や契約などを行いましょう。
また、産業廃棄物の運搬や処分をする事業者は認可証を持っていますが、すべてがアスベストを含んだ産業廃棄物の運搬や処分ができるわけではありません。
許可が出ている内容もしっかりチェックすることが大切です。
そして、運搬される前の保管時も忘れがちですが、飛散しないようにシート掛けなどの対策をして対応しましょう。
アスベストパトロールでの調査結果
令和5年に実施されたアスベストパトロールの結果は、以下のように発表されています。
- 立ち入り現場数:3、804件(内アスベスト有:1,523件)
- 立入現場数のうち、石綿則第4条の2に基づく事前調査結果報告の有無:2,213件
- 立入現場数のうち、石綿指導あり:1,040件
- 石綿指導ありのうち、石綿則第3条6項の事前調査結果の備え付け、掲示について指導:721件
- 石綿指導ありのうち、石綿則第35条の2の写真等による作業の実施状況の記録について指導:212件
まとめ
アスベストは、解体時だけでなく解体後の産業廃棄物としてトラブルなく安全に処理するまで油断ができません。
アスベストパトロールを良い機会にして、今一度正しく対策や取り扱うように見直すことも大切です。
健康面で重大な影響が出ることは明確なので、改めて注意をしましょう。